株式会社オプロ

株式会社プロトコーポレーション

業種:「情報通信」
業務:「電子文書化」

グーネットのプロト流、3万社のペーパーレス挑戦から見えた業務改革
ー慣習から脱却し将来にすすむためにプロト流の業務改革についての成功と失敗ー

株式会社プロトコーポレーション 業務改革プロジェクト室 責任者 鈴木 大介 氏

鈴木 大介 氏

去る6月7日、東京・赤坂インターシティコンファレンスにおいて、オプロ主催によるビジネスフォーラム『Customer Success Forum 2019 経営と現場が変わる「6つの鍵」~ サブスクリプション時代の顧客戦略』が開催されました。本記事ではその中から、株式会社プロトコーポレーション 業務改革プロジェクト室 責任者の鈴木大介氏が登壇した講演「グーネットのプロト流、3万社のペーパーレス挑戦から見えた業務改革 ~慣習から脱却し将来に進むためにプロト流の業務改革法についての成功と失敗~」の内容をご紹介します。

“時間で解決型”から“生産性向上”へと業務環境を改革

創業42年を迎えたプロトコーポレーションの基幹業務は、クライアントの情報を収集・加工整理してユーザーとマッチングさせるデジタルコンテンツビジネスです。「グー」という情報誌発刊から派生し、現在では全国エリアの情報をカバーする中古車情報ポータルサイト「グーネット」として集約。取引先は新車・中古車・整備工場・オークション会場等を中心に3万件を超える規模となっており、相当量の情報処理を実施しています。
鈴木氏は、同社が必要に迫られた業務改革について「自動車業界には、電気自動車・車両のIT化・ライドシェア・排出ガス等の環境問題・ドライバーの高齢化・公共交通の発達など、さまざまな市場環境の変化が訪れており、一般消費者の生活自体も大きく変わってきています。こうした激変する市場変化へ適切に対応し、新しい価値をご提供していくには、“時間で解決型”から“生産性向上”へ業務環境の改革が必須です」と語ります。

営業外業務の大半を占めていた“紙の帳票”と“移動時間”

生産性の向上を図るにあたり、同社ではまず社内業務に関する徹底的な調査を実施しました。鈴木氏はまず、営業現場への密着、バックオフィスへのヒアリング、他社訪問および事例の収集などを実施し、課題の一覧を作成。定量的な売上利益の増加をゴールに見据え、改革タスクを25個に集約したのです。このミッションを「ATTACK25」と命名し、まずはタスクの中で極めて重要なポイントとして取り組まれたのが「ペーパーレス化」でした。同社では従来、あらゆる業務が「紙」ベースで行われており、システムはあっても各部署内で縦割り形式で動くものがほとんど。契約書や請求書、ワークフロー帳票も手作りという状態で、この現状打破を考えたのです。
「営業担当者が営業以外に手掛ける業務を“営業外業務”として数えたところ、なんと420個もの業務が存在していました。すべてが1ヶ月に必ずやる業務ではないものの、ルールやマニュアルが皆無の業務も判明し、衝撃を受けました」(鈴木氏)
これを業務の時間に換算して深掘りすると、さらなる課題が見えてきたそうです。営業時間は全体のわずか3割程度で、営業時間を超える約4割もの移動時間、そして“紙の書類”を使った内勤業務にかかる時間が多くを占めていました。

紙の帳票には、コピー&ペーストができない、書き損じによる時間的ロス、商品設定帳票の作成・提出・確認・照合にかかる手間をはじめ、数々の問題があります。さらには、商品申込書/商品設定帳票/請求書/各種連絡票など、営業担当者が使う紙帳票の種類が100枚以上も存在することが判明しました。
鈴木氏は「このように“紙の帳票”と“移動時間”が大半を占める営業外業務の時間を、営業時間に充てられれば、もっと生産性が向上するのではないかと考えたのです」と語ります。

業務に必要不可欠な“大量のPDF化”が行えるシステム

こうした課題を解決するべく、同社ではまず営業担当者のPCをすべてノートPCに変更。情報誌制作の電子化に加えて、「Salesforce」の導入による請求書・申込書の電子化を目指しました。ペーパーレス化で営業担当者の直行直帰および残業時間の削減を実現すれば、営業本来のコア業務に集中できるだけでなく、高度なスキルの習得やクライアント企業の課題解決により多くの時間を割くことができるようになり、結果としてクライアント企業の成功につながるわけです。

システムにSalesforceを選んだ理由は、すでに営業現場で営業管理ツール「UPWARD」を導入していた点が大きかったそうです。とはいえ、効果的なフィードバックが行われておらず、営業自ら活用するという意識が薄く見えました。また、縦割りのシステムにかかる二重入力の手間も課題のひとつになっていたため、同一のプラットフォーム上に仕組みを構築することで、ツール自体の価値を高めていこうと考えたのです。
「Salesforce導入の決定打は、“大量のPDF化”が実現できる点でした。営業と経理で使う大量のデータに加えて、クライアント企業と弊社の間では1ヶ月にPDF化した約3万通の請求書データが行き交っており、こうしたPDFを即座に発行・運用できることが求められたのです。また、営業にとって従来の業務と変わりすぎたり、手戻りが多いような業務フローになったり、という事態も避ける必要があります」(鈴木氏)
こうしたビジネス環境に耐え得るシステムとして、同社ではオプロのクラウドERP「soarize」とドキュメントフレームワーク「OPROARTS」を導入。2018年10月から2019年3月の約半年で、全国18事業部に展開を完了しました。

96%の電子化率で大幅なコストダウンと生産性向上を実現

こうして同社では、Salesforce上に販売管理フロントシステムを載せ、大量の帳票をPDF化できる基盤が整いました。また、コミュニティ機能でクライアント企業と情報共有し、Salesforce上での閲覧や承認なども実現しています。
鈴木氏はその効果について「現在は電子化率96%を達成し、請求書の印刷関連だけでも多額のコスト削減が可能になりました。また、直行直帰率が大幅にアップし、残業時間は全社平均で前年比25%ダウンを実現しています。営業量はそのままで残業時間の減少となっており、当然ながら生産性は向上。空いた時間を家族サービスやスキルアップに使えるなど、社員のプライベートも充実しています」と語ります。また、申込書作成はこれまで約130分かかっていた業務が、わずか12分に削減された例もあるそうです。
最後に鈴木氏は「まだ定着支援中の段階でもここまでの効果が得られています。たとえば経理関連業務の所要時間では、トッププレイヤーの業務処理時間を目標にしていくことで、さらなる改善効果が期待できるでしょう」と語り、講演を締めくくりました。