株式会社オプロ

特定非営利活動法人 災害人道医療支援会(HuMA)

業種: 「医療」
業務: 「データエントリー」
製品: 「AppsME」

通信インフラが崩壊した被災現場からのリアルタイムな情報共有にAppsMEを活用
作業の簡便化で24時間/2週間の工数削減を実現

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災害に見舞われた被災地における医療行為の提供や、災害医療従事者向けの教育研修を行う特定非営利活動法人 災害人道医療支援会「HuMA」。その活動内容は上記にとどまらず、水の確保のために井戸を掘るなど被災現地に最も必要なもの・ことを見極め、幅広く対応している。同団体では、被災地における活動状況の報告にkintoneを導入しているが、タイムリーな状況報告を実現するためにモバイル入力アプリケーション「AppsME」(アップスエムイー)を活用。通信インフラが不安定な被災地でどのように役立てていただいたのかを、看護師・災害医療ロジスティクスの林(りん) 晴実氏に伺った。

記事の要約
  • 【課題】通信インフラが不安定な被災地でもリアルタイムに状況を報告しなければならない 被災現場に必要な支援をいち早く実現するためのDX
  • 【選定】通信圏外でも随時状況報告が可能 ファイルサイズの大きな画像データも難なく共有できるAppsMEを導入
  • 【運用・評価】タイムリーな情報共有で的確な支援提供を実現 現場スタッフの作業負荷も低減し、より充実した現地活動が可能に

【課題】通信インフラが不安定な被災地でもリアルタイムに状況を報告しなければならない 被災現場に必要な支援をいち早く実現するためのDX

国内外の地震や台風などの災害に見舞われた地域や、住むところをやむなく離れた人たちが集まる難民キャンプなどにおける医療行為の提供、及びそれらの現場で活躍する災害医療従事者に向けた教育を手がけるHuMA。コロナ禍ではひっ迫する医療・介護現場に医療従事者を派遣するなど、安定した医療体制の構築に向け、世界のあらゆる地域をステージに日々奔走している。

同団体では、被災地の状況把握や現地における活動記録管理のためにkintoneを導入。2023年2月6日に発生したトルコ大地震の先遣調査隊として現地入りした林氏は、現場からの報告に初めてkintoneを使用した。

「海外での医療支援活動に制限があったコロナ禍にkintoneが導入されました。その後、2023年に発生したトルコ大地震の現場が海外で初めてkintoneを活用する機会となりました。これまで20年ほど災害支援に携わっていますが、どの被災地においても通信インフラはほぼ崩壊状態。被災地における私たちの任務は、被災現場の状況を正しく把握し、今どこで何が必要かを速やかに本部に報告し調整を図ることです。このような活動において、通信インフラが機能しないというのは大きな障害になります。」(林氏)

こうした海外での活動時には、現地の通信会社でモバイルルーターを借りるか衛星通信を利用するしかない。ところがトルコ大地震の現場では、大きく被災したシリア国境付近の通信インフラも壊滅的な状態であり、持ち込んだモバイルルーターは利用できず、大きなアンテナの設置が必要となる衛星通信の利用も移動時には現実的ではなかった。

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「災害現場では活動の記録をリアルタイムで残す専用アプリ(クロノロジーアプリ)を通じてkintoneにデータを入力します。このアプリを使って、私たちの活動内容や現地の状況をテキストと写真で逐一報告し、本部はこれらの情報を対応策の検討やタイムリーな広報活動に活用します。即時性が重要なのですが、通信圏外ではkintoneへの入力がままなりません。やむなく日中は報告事項を紙に記録しておき、夜通信が可能な環境に移ってから一気に作業していました。レコードは二週間の活動で250件ほどに及び、しかも多くの写真を添付しますので、日中外を動き回った後の大量の入力には大きな負担を感じていました。」(林氏)

【選定】通信圏外でも随時状況報告が可能 ファイルサイズの大きな画像データも難なく共有できるAppsMEを導入

そこで本部は、林氏をはじめとする現地で活動する隊員の負担を考え対応策を検討していた。その中で、オプロのモバイル入力アプリケーション「AppsME」の存在を知ることになったという。

早速、本部スタッフから現地の林氏に使用するように連絡した。

「現地での作業に苦慮している中で、オフラインでも使用可能なAppsMEを本部から勧められたんです。急いでインストールして使用方法のレクチャーを受けました。現地でのインストールもスムーズで助かりました。」(林氏)

【運用・評価】タイムリーな情報共有で的確な支援提供を実現 現場スタッフの作業負荷も低減し、より充実した現地活動が可能に

実際に現地でAppsMEを使用した林氏によれば、リアルタイムで行うべき作業がオフライン時でも可能になったことは、災害医療支援におけるパラダイムシフトだという。

「業務におけるAppsMEの導入は、20年の経験の中でも非常に大きな変革、まさにDXだと思います。先遣調査では分刻みのスケジュールでさまざまなところを回り、たくさんの方にお会いします。それらをすべて記録に残すのですが、導入前はファイルサイズの調整に手間取ったり、WordやExcelに転記したりと、通信環境の不具合がなくても煩雑な作業が多くありました。これらの作業に夜1~2時間程度は取られていましたので、単純に2週間で計算すると1日分に当たる工数を削減できたことになります。日中の入力作業も軽減されたので、実際はもっと効率化されていると思います。」(林氏)

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「短期間でできるだけ情報収集し、現地に役立つ支援を手配しなければならない中、時間を有効に使えない歯がゆい思いがありました。AppsMEの導入で効率化された工数を、より多くの支援活動に充てることができたと思います。」(林氏)

災害現場をはじめ、通信環境が整っていない状況に直面する機会はまだまだ多い。オフラインでもクラウドへのデータ登録ができるというAppsMEの特徴は、これからも威力を発揮していきそうだ。

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