株式会社オプロ

株式会社hacomono

業種: 「IT」 「サービス」
業務: 「経営指標の見える化」 「サブスク管理」
製品: 「ソアスク」

BizOpsでバックオフィスのオペレーションを磨き込み
データドリブン経営で生産性と顧客単価を同時に向上

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フィットネスクラブ・公共運動施設・スクールなどウェルネス産業向けのオールインワンマネージメントシステム「hacomono」を開発・提供する 株式会社hacomonohacomono は会費を払って通う運動施設の入会や予約、各種決済、会員管理など一連の手続きをまとめたクラウドサービスで、オプションとして24時間ジムで無人の時間帯でも会員が開けられるスマートロックも自社開発して提供している。hacomonoが目指すオペレーショナル・エクセレンスとデータドリブン経営の基盤として「ソアスク」が活用されている経緯について、BizOps Div.マネージャー 上村篤嗣氏とBizOps Div. 三輪一恵氏にお話を伺った。

記事の要約
  • 【課題】ビジネスの成長に対して販売管理システムが足かせに
  • 【選定】Salesforce連携と高い拡張性を評価
  • 【運用・評価】事務作業の生産性は3.5倍、顧客単価も上昇
  • 【今後】お客様要望に応える帳票出力や電子契約サービス連携も

【課題】ビジネスの成長に対して販売管理システムが足かせに

hacomonoが設立されたのは2013年。当時は、ITの受託開発がメイン事業だったが、2019年にhacomonoというITサービスを提供開始。順調に顧客数を伸ばしたが、Salesforceには断片的な販売の情報しかなかったため、リアルタイムでの経営データの集計ができない状況だった。たとえばどの業種にいくら売れているのか、オプション製品は何割入っているのかなどがわからず、この先プロダクトを増やし、ビジネスをスケールさせるフェーズに差し掛かる中で、販売管理システムが足枷になることが予想された。

また、バックオフィスのオペレーションが複数の仕組みで構成されている点もビジネス拡大の懸念材料だった。見積りから契約、納品、請求書発行、入金という一連のオペレーションプロセスが、Salesforceと請求書発行システムとスプレッドシートと入金管理システムに分かれており、特にシステム間をつなぐスプレッドシートの肥大化が問題になっていた。「4つのシステムを行き来しながら『漏れていない?』と確認し、営業から『紙で送って』といわれていたのにメールで送ってしまい、お客様からお叱りを受ける、といった悲しい状況が発生していました」と当時を振り返る上村氏。

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人力でも、仕組みを工夫することで、ある程度の効率化は図ることが可能だが、多くのサブスクビジネスでは、毎月の請求が100通を超えるころから、ミスが増え、手作業の限界を察知し始める。hacomonoのように、利用店舗数が3,600店舗を超え、毎月の請求発行数が膨大になると、工夫だけでは対応しきれないことは明白だ。

「これはビジネスをスケールさせていく中で早めに手を打たなければいけないと考えました。営業がお客様先でクレームを受けたり、お客様にストレスをかけたりしないためにも、そして何よりもガバナンスを強化するためにも、システムでつながったオペレーションを作りたい。そこを強化するためにソアスクを導入しました」と上村氏は語る。

【選定】Salesforce連携と高い拡張性を評価

販売管理の仕組みをキレイにし、経営判断に必要なデータをリアルタイムで見ることができる基盤を整備したい、という思いで、社長とCFOで候補サービスをリストアップ。その中で、最終候補に残った2つのサービスのひとつがソアスクだったという。2018年から利用していたSalesforceプラットフォームでは、すでに商談管理が定着化しており、このSalesforceプラットフォームを一つの軸として選定が進められたという。 

販売管理において、サブスクリプション契約のように自動更新される月額利用料というのは、従来の販売管理とは異なる部分が多い。サブスクリプション契約は、契約期間中でもオプションが増えたり、ユーザ数が増えたりする。hacomonoのように、ハードウェアオプションがサービスに含まれる場合には、在庫の引き当てや在庫の数の管理といった在庫管理の要素も加わる。さらに毎年、翌年の商談や契約を作る必要がでてくるが、ソアスクであれば、そのような定型業務を自動化してくれる。

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「ソアスクが、Salesforceのプラットフォーム上に作られているというのは、商談管理をSalesforceで行っているhacomonoにとっては大きな魅力でした。

また、ソアスクには帳票のデザインや出力、他サービスとの連携機能がありますので、これからどんどん帳票を作ろうとなった際にカスタマイズ性があるということ、会計freeeやCloudSignと連携できることもプラスとしてありました」と上村氏。

もともとSalesforceを活用していたことによる、Salesforce連携というメリットもさることながら、実績のある帳票デザイン・帳票出力機能が含まれている点や、いろいろなサービスと連携できるという拡張性の高さが決め手になったようだ。

【運用・評価】事務作業の生産性は3.5倍、顧客単価も上昇

「弊社で取り扱っている商材は、すべて基本的にはソアスク、Salesforce上で管理できています。ソアスク以外で請求書が作られるとか、Salesforceに商談がないとか、そういうことは基本的にはない状態です。そのため、商談パイプラインの情報によりフォーキャストの管理や最終的な会社の実績などのデータ分析ができるようになっております」と語るのは三輪氏。

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かつては経営会議で先月のチャーンレート(解約率)について質問がでると、まずは現場で数値を調べることから始まっていたという。最初の数値が集まるまでに1週間ほど経過し、集めた数値が足りない場合は追加作業となり、また1週間経過する。それらの数値を集計して、さらにまとまった数字にチェックや考察を加えて、経営会議に報告すると1か月経っていることも珍しくなかったようだ。

「今、こういうSalesforceのデータベースを整えたことで、それこそチャーンの報告、先月はいくつなのか、どこの業種でどんな事案が実際に起きていたのか、理由は何だったのか、どういう経緯があったのか、全部Salesforceで見られますし、クリックしたらそのまま商談画面が表示されるので、どういうコミュニケーション履歴を経て解約に至ったのかを見られます。だから打ち手を打てるわけです」と、進化した現状を語る上村氏。

「Salesforceのユーザさんには、『Tableauを買ったら見られるようになるんでしょう?』といった認識を持つ方もおられると思います。ですが、ご存じの通り、グラフは表面なので、裏側のデータベースや、そこにデータを入れ続ける仕組み、入れ続けてくれる営業への定着化オペレーションが必要で、そこはすごく泥臭い世界です。うちはこのBizOpsというビジネスオペレーションのチームが、こういうテクノロジーを使って現場データをクラウドに記録していく、ということを司っています。三輪や現場の営業チームの活躍によって、データが経営に即日届くようになっています。そういう意味ではシステムと人間の二人三脚です」と上村氏は解説する。

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続けて三輪氏は、「BizOpsというチームにスキルや知識を集約することができているのは、組織としてはいい体系かなと思っています。そのおかげで、セールスがソアスクのすべてを理解していなくてもいい。全部理解して、見積りも何も全部できるようになるよりも、営業はもっと別のコア業務に集中すべきという方針があるので、営業はコア業務に集中することができ、結果としてデータが集まる仕組みを作っています」と二人三脚のリアルを補足する。

このように磨き上げたオペレーションによって、どのような効果が生まれたのだろうか。

ソアスク導入直前の月間の請求件数とスタッフの人数を、取材を行ったその月のリアルタイムの数値を比較すると(たまたま取材日が月末だった)、なんと生産性は3.5倍近くになっていた。3.5倍という向上率の高さもさることながら、このような数値が取材チームのリクエストに応えて、その場で数値が確認できるという、データドリブン経営の基盤の強さを目の当たりにすることができた。

さらに、契約単価についても、導入前と比較して向上しているという。ソアスクを導入したことで、一般的な販売管理システムでは導入が難しい従量課金サービスを開始することができたり、オプションごとに契約頂けるお客様のセグメントを分析したりするなど、新しい売り方にチャレンジし、新しい収益の立て方のバリエーションが広がったとのことだ。

【今後】お客様要望に応える帳票出力や電子契約サービス連携も

hacomonoのお客様は、民間のスポーツクラブもあれば、公共施設のような施設もある。補助金の申請などで、様々なアウトプットのバリエーションを求められるようになってきているという。また電子契約サービスとの連携についても喫緊の課題だ。

「対応のバリエーションを増やすことで、手作業によるミスの低減や、お客様や取引先の体験の向上にも寄与していきたいと思っています」と話す三輪氏。

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また、上村氏は、データドリブン経営の基盤としての販売管理システムを捉えている。
「販売管理システムを入れると、ともすると経理に主導されて守りの話になりがちです。でもぼくたちはオペレーションを磨くと同時にデータドリブンをやりたいというのがあったので、事業のファクトにすぐにアクセスできるようになって、その場で集計データがわかるとか、その場で内訳がわかる、それどころか、なぜ解約をされたのか、なぜ売れたのか、というところにたどり着けることが、やはり重要だと思っています。」

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オペレーショナル・エクセレンスとデータドリブン経営を「ソアスク」で進化させつづけるhacomono。まだまだ成長が見込まれるウェルネス市場の成長を先取りするように、ファクトに基づいた新しい顧客体験を次々と生み出していきそうだ。

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