株式会社オプロ

富士フイルムメディカル株式会社

業種: 「医療」
業務: 「電子文書化」 「データエントリー」
製品: 「AppsME」 「oproarts」

フィールドサービス業務のDX化を内製で実現
〜タブレットPC&クラウドサービスを利用したDX事例〜

手書き報告書をタブレットPCに移行!フィールドサービス業務のDX化を内製化で実現

医療システム/医療機器の販売・サービスを提供する富士フイルムメディカル株式会社は、デジタルX線画像診断システム、医療ITソリューション関連システム、内視鏡システムなど、医療現場で非常に責任の大きな商材を扱っている。 医療施設の課題解決にプロとして貢献しつつ、顧客の貴重な声をメーカーにフィードバックし、ものづくりから運用までのすべてに関わる上で、タブレットPCを利用したデジタルトランスフォーメーションといった課題に取り組むべく、オプロの「AppsME」と「oproarts」を採用した。
AppsMEとoproarts 採用の決め手や導入後の効果について、サービス&サポート事業本部 テクニカルサポート部次長 兼 DX推進室担当部長 上戸 寛(かみと ひろし)氏にお話を伺った。

記事の要約
  • 【課題】部門ごとのオンプレシステムが稼働し、連携が取れていなかった
  • 【効果】現場の作業報告書の入力工数を削減、社内の承認スピードも格段に向上
  • 【選定】迷った末に決め手となった、4つのポイント
  • 【今後】「帳票ライク」であることが重要、今後もサービス向上の取り組みに期待

まず御社や上戸さんのチームについて教えていただけますか?

富士フイルムメディカルのサービス&サポート事業本部では、システム刷新と業務変革の推進を通じてコールセンターの運用強化、FSE(フィールドサービスエンジニア)の現場力のアップ、サービス活動の質の向上を進めております。

FSE(フィールドサービスエンジニア)の業務内容を教えてください

FSE(フィールドサービスエンジニア)は医療システム/医療機器の据付や点検、不具合が発生した場合の修理対応の他、お客様の困りごと・関心事を理解し、使い方トレーニングや最適な医療画像調整、新機能のバージョンアップなど、パーソナライズしたサービスを提供しています。

上戸様はサービス&サポート事業本部とDX推進室を兼務されているということですが、AppsMEとoproartsのご導入はどちらのお立場としてプロジェクトを進められたのでしょうか?

両方です。サービス&サポート事業本部の立場としては、事業部の課題である各種報告書の電子化と電子サインを実現し、これから構築する顧客用ポータルサイトに掲載したいです。
DX推進室としては、先ほどご説明した課題を実現できるシステムを構築する、ということを目指しています。

まさに事業部門/推進部門の両方のお立場での取り組みということですね。
AppsMEおよびoproartsをご利用いただくにあたり、導入以前にお持ちであった事業課題、業務課題をお聞かせいただけますでしょうか?

先にお話しした「コールセンターの強化、FSE(フィールドサービスエンジニア)の現場力のアップ、サービス活動の質の向上」がポイントです。
これまではSalesCloudの他に、サービスはサービスのシステム、コールセンターはコールセンターのシステムと、それぞれのシステムが別々に動いていて、連携がしっかり取れていなかったのが問題でした。
そこで2019年にServiceCloudに刷新するプロジェクトを発足。その際に業務の棚卸しをして、一部属人化している業務プロセスの改革も同時に行い、2020年に新システムを導入しました。

AppsMEとoproartsをご利用いただくことによって、課題や業務はどのように変わりましたか?

AppsMEの利用シーンとしては、フィールドサービスエンジニアが医療現場で保守メンテナンスの内容を作業報告書に記入するのが重要な作業になっています。デバイスは「WindowsタブレットPC」を使っています。

使い方としては、AppsMEアプリを立ち上げて該当する医療機関のレコードを開き、その作業報告書に作業内容を記入します。この業務はもともとオンプレのシステムで行っていました。
AppsMEを導入することで、各種情報をServiceCloudから自動連携して、入力工数を削減することができました。
図の青くなっている部分は自動転記されているので、サービスマンが入力する必要はありません。
あとは黄色い部分に処置結果を記入するだけということで、非常に入力工数を削減することができました。

さらにAppsMEでは「手書きのサイン」を入力できるので、社内の承認スピードが格段に向上しました。
また、お客様には作業報告書としてきれいな体裁で顧客用ポータルサイトに掲載、または送付します。

導入にあたって様々なサービスを比較検討されたと思いますが、弊社サービスの決め手はどんなところだったのでしょうか?

数社のサービスを比較しましたが、弊社が求めるポイントは4つでした。

  1. ServiceCloudと親和性が高く、データが双方向にやりとりできること
  2. 電波が届かない環境で作業を行うことも多いため、オフライン環境で入力できること
  3. 様々な紙帳票(約50種類)があり、レイアウト作成や柔軟な仕様変更が可能であること
  4. oproartsでエクセルからデータをインサートできること

まず決め手となった1つ目ですが、ServiceCloudとAppsMEがデータを双方向にやりとりできる、つまりインサートだけでなく、ServiceCloudのデータの閲覧もできるということですね

はい、その通りです。フィールドに出ているサービスマンがタブレットPCで帳票を開いた際に、ServiceCloudの情報を参照できるのがポイントです。
こちらの画像だと、青い箇所にその内容が連携されて表示されるということですね。

現場でその他に必要な箇所に記入したら、印刷して先生にお渡しします。現場のサービスマンが一から記入しなくて良いので、先生をお待たせしなくて済むようになりました。これも、CSにつながると考えています。

また2つ目の「オフライン環境で入力できる」というのも、AppsMEの大きな特徴になります。

そうですね。
クラウドシステムの便利なところは良いのですが、医療現場は地下室など電波の届かないフロアで作業をする機会が多く、ネットワークが繋がらない、ということも結構あります。
実はこれも、AppsMEを選定したポイントです。

3つ目ですが、富士フイルムメディカル様ご自身でタブレットに表示するレイアウトを作成できるというところですね。はじめから内製化を前提にツール選定されたんでしょうか。

そうです。新しい製品は常にリリースされ導入されていきますので、報告用の帳票もそれに合わせてアップデートしていく必要があります。
更新についてクイックに対応できる点や個別性の高い修正ができる点は、非常に重宝しています。

4つ目ですが、こちらはoproartsの「らくらくエクセル」の機能です。

※らくらくExcelの概要はこちら※
https://oproarts.opro.net/service/excel.html
こちらはServiceCloudが導入できない協力会社や代理店さんが使用されることを想定しています。まだ検証中ではありますが、この機能にも期待しております。

読者様の中には、同じような課題をお持ちでツールを検討されている企業様も多いかと思います。フィールドワークや帳票業務に課題をお持ちの方に、導入の勧めやポイントがありましたらお聞かせいただけますか?

まずはServiceCloudのようなシステムを構築し、その後に親和性の高いツールを選ぶのがポイントだと考えています。

また、「帳票ライク」であることは非常に大切ですね。残念ながら今の帳票システムで「帳票ライク」なものはあまりなく、紙で利用していたものをそのまま電子化すると入力しにくいなど、操作に違和感が出ることもありますので注意が必要です。

確かに帳票は日本特有の文化ですので、なるべく操作感や手触り感を損なわず、でも電子化もしたい、というところでバランスを取るのが難しいですね。
今後のさらなるDX化の課題やテーマをお聞かせください。

現在、顧客用ポータルサイトを展開中です。
そこでは電子帳票など、お客様にとって利便性が高いコンテンツを提供したいと考えています。

oproartsの機能を使うとお客様個別のポータルサイトへの帳票配信が可能になるので、非常に期待しています!

最後に、オプロへのご要望はございますか?

御社システムはレイアウトやデータインサート等のカスタマイズが柔軟であり、非常にありがたい製品です。

当初はレイアウトのGUIに課題がありましたが、御社のエンジニアが日々打ち合わせをして改善してくださっている取り組みは高く評価しています。
日本のメーカーですので、今後もユーザの要望に応えて痒いところに手が届くようにしていただきたい、と期待しています。

富士フイルムメディカル様がご自身でDX推進、内製化されているからこそ、いろんなご要望をいただくことができ、オプロもますます、ブラッシュアップしていくことができます。

上戸さん、貴重なお話をいただきありがとうございました。

製品