帳票DX

導入事例


業界屈指の拠点網を持つペイメントの先進企業が、帳票DXを導入
大量の紙手続きをWeb化し、ヒューマンエラーもゼロへ 業務効率と働き方を大きく改善

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経営・事務システム部 酒井原 奈菜氏


国内に約28,000台の設置数を誇るセブン銀行ATMを活用した送金・決済サービスを展開するセブン・ペイメントサービス。グループ資産である最大級の拠点網を活かし、これまで取扱い窓口が限られていた現金に関わるサービスを、24時間いつでも安全に利用できる環境を実現している。金融業に分類される同社にオプロの『帳票DX』が採用された。今回は、特に煩雑な印象がある金融業務のDXに帳票DXがどのように貢献したのかを、経営・事務システム部の酒井原氏に伺った。

記事の要約
  • 【課題】先進サービスを支える手続きの見直し 顧客負担を軽減したい
  • 【選定】形式は「そのまま」 従来の運用フローには影響させない電子化を
  • 【運用・評価】「紙」ストレスからの脱却 ワークスタイル改善にもつながったDX
  • 【今後】金融DXの推進でより多くの人へサービスを届けたい

【課題】先進サービスを支える手続きの見直し 顧客負担を軽減したい

セブン銀行ATMを通じて新しい送金サービスを提供する資金移動業者として2018年に設立されたセブン・ペイメントサービス。支払い方法のキャッシュレス化が進む一方で、企業から個人の現金送金手段は現金書留か銀行振込が主流という社会に『ATM受取』という新たなサービスを生み出した。

「セブン・ペイメントサービスは、『ATM受取』と『ATM集金』の主に二つのサービスを提供している会社です。『ATM受取』は企業から個人への送金をセブン銀行のATMを介して行うことができるものです。最大の特徴は受け取る方の電話番号やEメールアドレスが分かれば現金が送金可能ということ。口座情報不要で現金が送れる、唯一無二のサービスです。コロナ禍においては、様々なイベント中止時の返金方法として活用されました。現在は返金のみならず、社内経費精算や採用交通費、キャッシュバックキャンペーン、自治体の給付金に至るまで幅広く活用いただいています。」(酒井原氏)

受け取る側として意識せずに利便性を享受している人も多いのではないだろうか。ここ数年で決済方法は格段に便利になっているが、改めて説明いただくと『ATM受取』サービスがいかに画期的であるかを認識する。

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「もうひとつ『ATM集金』は、夜間金庫などを利用するようなシーンでお役に立っています。たとえば営業終了後にお店の売上金を入金しに行くのは、銀行の夜間金庫が主流でした。当然銀行も営業時間外ですし、きちんと警備されているとは言え人気のないところに現金を運ばなければならない。セブン銀行のATMはセブン-イレブンをはじめとする商業施設、公共施設、駅など、街中至る所に設置されているため、明るく人目のある安全な環境といえます。また、一般的な銀行ですと入金カードや専用鍵を使って特定の夜間金庫にしか入金できませんが、『ATM集金』はアプリでどこのセブン銀行ATMでも入金可能という利点もあります。」(酒井原氏)

これら二つのサービスの利便性のひとつが国内に約28,000台設置されているセブン銀行ATMネットワークだ。

「セブン銀行のATMプラットフォームが最大の武器で、日本全国でサービスをご利用いただけます。口座や支店、カードにとらわれない金融サービスとして新たな価値を提供できればと日々取り組んでいます。」(酒井原氏)

そんな画期的なサービスを展開する同社は、業務の効率化を目的にCRMを刷新した。次にその経緯を伺った。

「私が所属している経営・事務システム部は、事務全般を効率化するというミッションを持っています。新しいサービスではありますが、弊社は金融機関。ご経験があるかと思いますが、銀行をはじめ金融関連の手続きはかなり厳格に行います。サービスが拡大していく中でかなりの工数が必要になりますので、そのあたりをいかにミスなく効率化するかというのは課題でした。」(酒井原氏)

そこで同社は従来のCRMからSalesforceへの切り替えを決定する。

「今回はSalesforceの導入から入りました。従来のCRMシステムから丸ごと切り替え、それに伴って帳票類のDX化もしたいと考えました。これまでは紙で手続きを受け付けていたんです。専用書式にご記入後郵送いただくというのはお客様も手間でしょうし、こちらとしても紙の管理が大変。そこで、このタイミングで電子化することを必須条件としていました。」

【選定】形式は「そのまま」 従来の運用フローには影響させない電子化を

「今回はSalesforceとの連携が大前提だったので、導入支援していただいたパートナー企業の推薦で『帳票DX』に決めました。」(酒井原氏)

電子化に向けて条件などはあったのだろうか。そのあたりを伺った。

「必須条件として、帳票を電子化する以外はこれまでのフローを一切変更しないというものがありました。例えば帳票の形式が変わってしまうことでフローを変更しなくてはならない、ということは避けたかったんです。つまり、従来の書式をそのまま電子化できることが絶対。これは、『帳票DX』で実現できました。」(酒井原氏)

【運用・評価】「紙」ストレスからの脱却 ワークスタイル改善にもつながったDX

続いて、実際に導入された後の運用状況やその効果について伺った。

「使い方としては、Web上の入力フォームにお客様から入力していただいた情報を帳票DXで電子化し、クラウドサインに連携する形で契約締結をしています。クラウドサインも今回のシステム刷新で導入しました。」(酒井原氏)

紙ですべてを行っていた状況と比較すると、かなり効率化されたように思える。実際はどうだったのだろうか。

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「まず、物理的に紙の管理をしなくてよくなったのは非常に大きな変化です。帳票の種類も多く、毎月大量の申込書類や変更手続き書類を管理しなくてはならなかったんです。また、紙だと紛失のリスクもありますし、そういう点が少なからず業務上のストレスになっていました。今では入力漏れなどはアラートされますし、目視確認や転記によるヒューマンエラーもゼロに。これまでは誤記入があれば送り返し、訂正印を押して再提出いただく手間もありました。そういった手間は機会損失につながることも少なくない。これらをWeb上で完結できるようになったのはとても大きなメリットです。」(酒井原氏)

酒井原氏によれば、もうひとつ変わったことがあるという。

「働き方が変わりました。今までは、郵送物を確実に受け取るところから始まり、その旨を帳簿に記載して鍵のかかる場所に保管する。受け取るためには出社していなければなりませんから、担当部署はリモートワークがしづらかったんです。「申込書が〇日に到着予定だからこの日は出社します」というような会話は日常的で。特に申込期日ギリギリにお送りいただくようなケースでは、いつ郵便が来るかなとスタンバイするような状態でした。郵便事情で想定の日に来ないこともあるので、お申込期限に間に合わなかったり、翌日も待機しなきゃなんていうことも。電子化したことで場所を問わず確認できますし、入力されたらリアルタイムで通知されますから、これも大きな変化だと思います。」(酒井原氏)

【今後】金融DXの推進でより多くの人へサービスを届けたい

最後に今後の展望やオプロや製品への期待について伺った。

「契約に関わるところは絶対に失敗できないので導入支援パートナーに設定を行ってもらっていますが、今後は自社内でできそうな自動化要素は自分たちで設定してみたいなと思っています。紙じゃないにしてもExcelからコピペが必要というような、人の手が必要なものもまだまだ多い。こういうものもどんどん自動化していって、効率化につなげたいですね。」(酒井原氏)

金融の業界に新たな風を吹き込んだセブン・ペイメントサービス社。その画期的なサービスは拡大の一途をたどる中、業務特性から煩雑になりがちな手続きのDXでさらに利用しやすい環境を生み出している。社会的にも大きな関心が集まる金融DX推進の一助となれるようオプロも尽力していきたい。

※記載されている内容は、取材当時のものです。(取材日:2025年6月12日)

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