業界唯一の製造業向けクラウド生産管理システム
「UM SaaS Cloud」
自由度の高い帳票作成機能として「オプロアーツ」を採用

(左から)常務取締役 事業戦略統括本部本部長 鈴木 孝信氏
フィールドセールス部 保田 紗也香氏ソリューションエンジニアリング部 笹川 鈴華氏※2024年5月時点
2024年で41期目を迎える株式会社シナプスイノベーションは、システムやソフトウェアの企画や開発、導入コンサルティングなどITに関わる幅広いサービスを通じてクライアントのビジネスを支えている。2017年、製造業向けの生産管理ソフトウェア「J WALD」の開発・提供を皮切りに、これまでのSI事業に加えて自社製品を展開。2021年には、近年のクラウド化の潮流に応えクラウド生産管理システム「UM SaaS Cloud」をリリースした。実は本製品の帳票機能は「オプロアーツ」をOEMの形で採用いただいている。同社で「UM SaaS Cloud」事業に携わる方々に、生産管理をメインとした唯一のクラウド製品の一機能として「オプロアーツ」がどのように貢献しているのかを伺った。
- 【課題】製造業への深い知見とノウハウが業界唯一のクラウドシステムを生み出した
- 【OEM化の背景】企業がこだわりを持つ帳票作成 コストと工数を押さえて満足度の高い成果物を提供するためのOEM
- 【OEM化による効果】すべての機能を含めたパッケージ提案が可能に 導入後に新たな帳票を自社で作成するお客様も
- 【今後】ますますの拡大に向けて、導入後もお客様が運用に困らない環境を構築したい
【課題】製造業への深い知見とノウハウが業界唯一のクラウドシステムを生み出した
製造業向けの生産管理システム「UM SaaS Cloud」を展開するシナプスイノベーション。ITに関する幅広いサービスを手がけてきた同社がその知見をもって提供する同製品は生産管理機能を主軸とした唯一のクラウドシステムであり、業界でも高く評価されている。同システムを手がけることになった経緯を事業戦略統括本部本部長の鈴木氏に伺った。
「シナプスイノベーションは今年41期目を迎える歴史の長い企業です。国内では大阪・東京・名古屋・幕張・大分、それとR&Dの拠点としてイギリスのオックスフォードに拠点を持っています。もともとはSI事業を主軸としていましたが、20年ほど前に国産ERP製品『GRANDIT』の取り扱いを開始し、その頃から製造業のお客様とのお付き合いが多くなりました。2017年に初めての自社製品としてオンプレミスの生産管理システム『J WALD』(ジェイ バルト)を開発。その後、昨今のクラウド化の潮流もあり、2021年にSalesforceとの連携が可能なクラウドシステム『UM SaaS Cloud』をリリースしました。今年3年目を迎えますが順調に伸長しており、さらなる拡販のために昨年からパートナー制度もスタートさせています。」(鈴木氏)
「UM SaaS Cloud」は業界で唯一の生産管理システムだという。他の生産管理システムとの違いはどこにあるのだろうか。

「生産管理システムというものは他社でも出されていると思いますが、会計管理など他の機能をベースにしているものがほとんどです。弊社の『UM SaaS Cloud』は『生産管理』つまり工程進捗管理をメイン機能としている唯一のものと言っていいでしょう。さらにまだまだオンプレミスが主流の中、Salesforce基盤のクラウドシステムであること、また各社に適した形にカスタマイズが可能である点などを高く評価いただいています。」(鈴木氏)
特に昨年リリースしたAI機能が好評だ。
「工程を管理する中で組む生産計画をAIに機械学習させることで負荷を軽減することができます。こういう新しい機能を付加しつつ3年目を迎え、基本的な生産管理システムとしての業務領域はおおよそカバーできた状態です。」(鈴木氏)

※2024年5月時点
そんな「UM SaaS Cloud」の機能の一つである帳票作成を担うのが「オプロアーツ」だ。 「もともとは帳票も導入各社に合わせて開発・納品していました。帳票の数は企業によって違うので、事前のヒヤリングの上見積って予算とすり合わせて...という作業が発生します。加えて開発期間も必要になるため、導入までの時間も準備工数も非常に大きかったのです。」(鈴木氏)
【OEM化の背景】企業がこだわりを持つ帳票作成 コストと工数を押さえて満足度の高い成果物を提供するためのOEM
「オプロアーツ」を採用することになった背景についてさらに伺った。
「生産管理に紐づいて様々な帳票が必要になるわけですが、帳票の種類もデザインもお客様の数だけあると言っても過言ではないんです。特に日本のお客様はデザイン、見やすさに重きを置きます。それであれば毎回開発してそこに時間とコストを費やすよりも、既存のツールを活用すべきだろうということになりました。」(鈴木氏)
OEM化したことで、導入に際するお客様の反応も変わったという。
「従来だと、帳票管理は他社のこのソフトを組み合わせますというご提案をしていたのですが、細かく見えるとお客様もここは欲しいけどここはいらないというように取捨選択したくなる。でも長い目で見ると持っておいた方が良い機能だったりするわけです。我々としては後で追加の開発やコストが発生することになるより、最初からすべてご提供したい。OEM化したことで必要機能をまとめてご提案できるようになり、お客様にも納得感をもって導入いただけるようになりました。」(鈴木氏)
【OEM化の効果】すべての機能を含めたパッケージ提案が可能に 導入後に新たな帳票を自社で作成するお客様も
こうして「UM SaaS Cloud」にバンドルした「オプロアーツ」。その効果はどうだったのだろうか。お客様のご要望を直接聞きながら開発にも携わる田村氏と、帳票開発とOEM環境のセットアップに携わる笹川氏、企業への提案活動に携わる折舘氏・保田氏に伺った。
「以前はVisualforceでコーディングしていたのですが、社内に対応できる人材が少なく苦労していました。ちょっとした修正も『オプロアーツ』の中で行えるようになり助かっています。あとはSalesforceと組み合わせて承認プロセスに組み込むなどもかなり簡単にできるようになったので、そういう点も便利ですね。」(田村氏)
「OEM化前は帳票開発が前提でしたが、環境設定とマニュアルをお渡しするだけでよくなったのは大きな変化です。導入前に弊社でセットアップしますが、お客様によっては自社で帳票を追加作成したいというお話をいただくことも出てきました。その場合もお客様が取り組まれる中での不明点を弊社がサポートしつつ、基本的にはお客様の中で推進していただけるようになりました。ノーコードであることも大きな要因だと思います。」(笹川氏)
「お客様へのご提案にかかる時間や作業も大きく変わりました。以前は何種類の帳票をどのくらい出力されるのかなどを確認したうえで、お客様の予算を鑑み最適なプランをご提案するというステップを踏んでいましたが、『オプロアーツ』がバンドルされてからはパッケージでのご予算提示が可能になりました。帳票については既存の帳票の作成に加え、導入後に必要となったものも運用でカバーできるようになったため、お客様の満足度も上がっていると感じます。」(折舘氏)
保田氏からは営業現場でのお客様の反応を伺うことができた。

「現在生産管理システムを導入されているお客様でも、帳票は別のシステムを入れているというケースがほとんどなんです。みなさん、帳票を出したらこちらのシステムにも反映して、と二つのシステムを同期しながら使っているんですね。なので、帳票も一緒に出せますとお話すると驚かれる企業様も多く、『UM SaaS Cloud』を評価いただく大きなポイントだなと感じています。」(保田氏) 実際に運用してみての所感としては以下のようなご意見をいただいた。 「注文書や請求書、現場への作業指示書などの作成ニーズが高いですね。先ほどもお話に出ましたが、注文書や請求書など社外に出る書類については、自社独自のデザインにこだわりたいので個別に作りたいというお客様が多いです。その次に多いのが現場への作業指示書などの社内向けの帳票。また、表形式(マトリクス形式)の帳票は作成に少し手がかかる印象です。これが簡単に実現できればいいなというところですね。」(田村氏) 「導入後のお客様をサポートしたりするには『オプロアーツ』の理解を深めていかなければなりませんが、社内でもスキルにばらつきがあるのが現状です。そこで、現在オプロ様にご相談しながら、ハンズオンセミナーの開催を企画しています。導入後に自社で帳票を作りたいという企業様も、基本操作から各種帳票作成までステップを踏んで進めるようにできればと考えています。」(笹川氏)

他にも2回目以降の出力時に「再出力」というアイコンを帳票上に表示させるなど、業務の運用を助ける細かい点でも機能をご活用いただいていた。次に、「オプロアーツ」で苦労した点を伺った。 「最初にデザイン画面で四角枠を作っていく時にミリ単位で揃えるところはちょっと苦労しましたね。あとはマッピングしたい項目がスムーズに表示されず、そこをゼロから作りこむ際には慣れるまで操作に苦戦しました。」(笹川氏) 「表の罫線を引くのが難しかったですね。表の概念がちょっと特殊かもしれません。ただ使っていくうちに慣れていきますので、弊社内でも『オプロアーツ』を使えるメンバーがどんどん増えていっています。」(田村氏)
【今後】ますますの拡大に向けて、導入後もお客様が運用に困らない環境を構築したい
今後の展望としてはどのような考えをお持ちなのだろうか。
「『UM SaaS Cloud』も3年目に入り、おかげさまで導入社数も順調に伸びています。昨年スタートさせたパートナー制度でネットワークを拡大しながら、さらに多くの企業様のビジネスをお手伝いできればと考えています。」(鈴木氏)
また、OEMならではのお声もいただいた。
「OEMとなると、『オプロアーツ』の機能についてもお客様からの一次問い合わせ窓口は弊社になります。そのあたりの体制や対応するためのコンテンツなど、ご相談しながら整備していきたいですね。」(鈴木氏)