株式会社オプロ

ドットNoahホールディングス株式会社

業種: 「空調工事」 「キャリア通信工事」 「通信工事」 「電気工事」
業務: 「電子文書化」
製品: 「ドキュトーン」

M&Aで事業拡大を続ける技術職人集団
人と技術を継承しながら、業界に先駆けたDX推進で強い組織形成を追求

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(右から)取締役執行役員 工事サポート事業部担当 石﨑 嘉氏
工事サポート事業部 河野 瑛美氏

本社を置く福岡県をメインに、東京都、広島県へと事業を展開する.Noahホールディングス株式会社は、電気工事、通信工事、空調工事など電気に関わるあらゆるサービスを一貫して提供するテクニカル集団だ。後継者問題を抱える特定の分野の技術を持つ企業をM&Aの形で事業承継し、職人や技術を守りながら地域に貢献している。そんな一風変わった組織体を築く.Noahホールディングスが、全社のDX推進を見据えて「ドキュトーン」を導入した。「ドキュトーン」が同社の事業推進にどのように貢献しているのかを工事サポート事業部の石﨑氏と河野氏に伺った。

記事の要約
  • 【課題】M&Aで拡大する「技術を受け継ぐ」職人集団 急激に成長する組織、管理の効率化が喫緊の命題に
  • 【選定】爆発的に増える工事数と膨大な数の資材管理 スピード感ある業務遂行を実現するための選定
  • 【運用・効果】工程管理と資材管理を一元化 人的ミスの激減に加え、取引先にも大きなメリットが生じた
  • 【今後】さらなるデジタル化・効率化で事業拡大を図りつつ、業界のDX推進をリード

【課題】M&Aで拡大する「技術を受け継ぐ」職人集団 急激に成長する組織、管理の効率化が喫緊の命題に

福岡県・東京都・広島県をメインに事業を展開する.Noahホールディングス株式会社はユニークな組織体だ。通常特定の分野のサービスを提供することが多い電気工事業界において、電気工事、通信工事、空調工事など電気に関わるあらゆる分野のサービスをワンストップで提供可能としている。同社がそれを可能にしている理由がその事業拡大手法だ。

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「弊社は2010年に創業し当初は単体で事業展開をしていました。この業界では特定の技術に特化したサービスを提供することがほとんどですが、小さい規模の会社などは近年、後継者問題などで事業を続けていくことが難しくなることが多く、せっかくの技術が受け継がれないのはもったいない。そこで弊社がM&Aの形で事業承継し、技術を残していこうと取り組みを始めたのが2019年ごろです。」(石﨑氏)

現在10社に上るグループ会社。各社が手掛けるサービスはキャリア通信工事やIT/ネットワーク工事、受変電設備の保安事業など多岐にわたる。

「小さな会社であれば特定の技術のみの専業、大手になると管理を手がける会社が多い中、弊社はあくまで工事会社として幅広い領域の技術サービスを提供したい。いわば職人集団ですね。それぞれのサービスはもちろんのこと、複数のサービスを組み合わせて提供するなど、あらゆるご要望にお応えすることができます。技術を継承していくための人材育成体制も強化しています。」(石﨑氏)

こうして事業を拡大した.Noahホールディングス。技術の継承を可能にした形で拡大した組織には課題もあった。

「それぞれが違う企業体なので、当然あらゆるシステムが異なります。さらに弊社自体もExcelをベースに紙やメールで運用する体制でした。組織としてはどんどん大きくなっているのに、システムはアナログなまま。だんだん管理が難しくなっていきました。」(石﨑氏)

また、業界自体のDX化の遅れも気になっていたという。

「やはり我々の業界ではまだ紙が主流だったりするし、業務体制も現場の職人さんが見積りを作ったりというところもまだまだ多い。一人で全部やる体制ではどうしても効率化しにくいと考え、じゃあ、現場には現場作業に集中してもらってバックオフィスがそのあたりを引き受けるという形にしようと。業務を仕分けることで効率化のポイントが絞れると思いました。」(石﨑氏)

そこで同社は、工程管理や購買管理を主業務とするバックオフィス部門である工事サポート事業部を皮切りにDXを推進することを決定。実際に業務にあたる河野氏は、DX前の状況を次のように話す。

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「工事の工程やそこに入る人材の配置、資材の発注管理などを、案件ごとにExcelで作成していました。数百人規模の職人さんを各工程にパズルみたいに組んだりするわけですが、案件ごとに独立したファイルで管理していたので、一つの修正事項の影響が複数案件に渡る場合はすべてを修正する必要がありました。材料の発注管理も、情報の転記を伴うアナログ作業の結果、受発注トラブルも多くかなりの対応工数を要していました。」(河野氏)

【選定】爆発的に増える工事数と膨大な数の資材管理 スピード感ある業務遂行を実現するための選定

DX推進に踏み切った.Noahホールディングス。そのツール選定はどのように行われたのだろうか。

「最初のツールは代表である松村から提案がありました。まずはテスト的に使ってみて合わなければ次、という感じで試していきました。その中でマッチしたのがkintoneでした。」(石﨑氏)

ちなみに同社は、kintoneユーザー自らが活用事例やノウハウを共有するユーザーイベント「kintone hive(キントーンハイブ)」にも登壇している。登壇経緯を伺うと、「松村と私と河野で前年に開催したkintone hiveを見に行ったのですが、『来年はこれに出よう』ということになり(笑)。河野が必死に準備して登壇しました」(石﨑氏)とのことだった。案件・工程管理をはじめとした各業務をkintoneに移行したことで、作業内容の70%削減に成功した素晴らしい事例紹介となっている。

※登壇レポートはこちら

さらにドキュトーンが選ばれた経緯を伺った。

「工事に使う資材などの管理をkintoneでおこなうようになりましたが、発注自体はメールやFAX。いちいち転記するのではなく、kintoneのデータをExcelなどに変換できないかと思い、プラグインストアやYouTubeなどの情報をもとにたどり着いたのがドキュトーンでした。他製品がPDF出力になるのに対してExcelやPowerPoint形式で出力できるというのも大きなポイントでした。抽出した後に内容をチェックし、修正があった場合は書面データに手を加えて送付、後に元データを修正するフローにしています。PDFだと出力したものを破棄してデータ修正し出力しなおす、という手間が発生しますが、弊社の場合、相手方への書類発行までのスピードを重視すると現状ではこのフローが最適です。」(石﨑氏)

【運用・効果】工程管理と資材管理を一元化 人的ミスの激減に加え、取引先にも大きなメリットが生じた

河野氏は、導入後の変化を次のように話す。

「工程管理も資材管理も一元化できたことで、業務の効率が大幅に向上しました。資材の発注をする際には、一案件に3種類くらいの帳票が必要になります。ざっくり計算するとおそらく一か月に600帳票くらいは作成していると思います。これまではExcelでの管理データをもとに、別に使っていた見積りソフトに入力して、それをメールで送るというアナログ作業を粛々と行っていました。先ほども少し触れましたが、資材名称や数量の転記ミスや、発注自体の漏れなども多かったですね。どうしても属人的になってしまうため、担当者レベルでしか正しい情報を把握できない状況で...。DX後は発注履歴もきちんと残り、かつ誰でも確認できるようになりました。データから引っ張ってくるので転記ミスもない。基本業務の効率化とミスにより発生する作業工数がなくなり、かなりの効率化を実現しています。」(河野氏)

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その効果は取引先にもあると続ける。

「発注書類などのデータが整備されたことで、視認性が高まったと感じます。これは受け取る業者にとっても良いですよね。弊社だけでなく業者側のミスも少なくなっていますし、トラブルが発生しても原因がすぐに分かるので、双方がすぐに手当てすることが可能になりました。」(河野氏)

違うシステムや業務フローを持つグループ各社についても伺った。

「いきなり業務フローやシステムを変えるというのは難しいので、どうしても統合にはタイムラグが発生します。そのため、まずは見積りをkintoneで出していくようにしよう、など段階を踏んで移行するようにしています。新たにグループ傘下となった一社は、これまで手書きだった書類を出力できるようになったので大きな効率化につながっています。」(石﨑氏)

【今後】さらなるデジタル化・効率化で事業拡大を図りつつ、業界のDX推進をリード

最後に今後の展望や、オプロや製品への期待について伺った。

「まず、ドキュトーン導入時からこれまでについては、支援いただいた担当の方がずっとサポートしてくださっていて。一度バージョンアップに伴う作業が発生した時はとてもスピーディにご対応いただき助かりました。止まると業務にも大きな影響があるシステムですから、こういうサポート体制は非常に助かります。」(石﨑氏)

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さらに今後の展望についてもお話しくださった。

「工事の報告書関係を整備できればと思っています。今は他のツールで作ったものを転記して送っていたりするのですが、こうしたものも同じシステムにきちんと残していきたい。工事前後の状況を写真データと一緒に記録として保管していきたいですね。お客様への報告書としても出力可能にするなど、この作業もかなりの効率化が図れると思います。」(石﨑氏)

業界に先んじてDXを推進する.Noahホールディングス。さらなる環境整備のために、オプロも製品とノウハウを活かして引き続き伴走していきたい。

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